ああ……やっぱり殺されたはずなのに死んでない。


こうして考え事ができるって事は、また夜の学校に呼ばれたのかな。


諦め半分で、閉ざされたはずのまぶたをゆっくりと開けてみると……案の定そこは夜の学校、生徒玄関前。


隣を見ると、ピクリとも動かない4人が同じように並んでいる。


「ぷはっ!! くそっ! またか……何なんだあれは!」


目を開けるなり言葉を発したのは健司。


彼もまた、赤い人に襲われたのだろう。


あゆみ、龍平、美雪も、目を開くなりうんざりした表情に変わっていく。


「何なのよ! 今日はぬいぐるみなんて触ってないじゃない! いい加減にしてよね!」


あ、それは私も思った。


でも、私の部屋にぬいぐるみが現れて、問答無用で赤い人が殺しに来た。


「もう良いよ……さっさとカラダを探して、こんな事終わらせよう。小野山さんはカラダを見つければ良いって言ってたんだしさ」


考えるのも嫌になったのか、美雪にしては珍しく投げやりな意見。


「今日は美紗ちゃんはいねぇのか? 生徒玄関がもう開いてるけどよ」


その言葉通り、龍平が指差した生徒玄関のドアは昨日とは違い、すでに開けられていたのだ。