美雪に言われて、階段に向かった私達。


今にも抜けてしまいそうな床に気を付けながら上って中程で、二階から龍平の声が聞こえた。


「うっ!! どうなってるんだ……これ」


美紗の部屋のドアを開けたはずの龍平が驚いている?


いったい何を見たのか……気になった私は、足元など気にもせずに階段を駆け上がった。


部屋の前で立ち尽くす龍平を押し退けて、部屋に入った私はその光景にがく然とした。


ボロボロの屋敷の中で、この部屋だけはきれい……なはずなのに、蜘蛛の巣が張って、ほこりが積もっている。


私達が知っている部屋とは明らかに違っていて、壁や天井は何かで汚れて黒ずんでいる。











その中の、汚いベッドの上に……美紗が横になっていたのだ。


「み、美紗……」


思わず呟いた言葉に、何も反応しない美紗。


それもそのはず、ベッドに横たわる美紗の手足は、まだ胴体とつながっていなかったのだから。


呼吸もできていないのか、胸が上下に動いていないし、生きているのか死んでいるのかも分からない。


「ちょ、ちょっと……何でまだつながってないの!? 美紗! まだ生きてるんでしょ!?」