慌てて私に駆け寄る美雪に、どう言って良いのかが分からない。
首を横に振って、すぐうなずいて。
龍平には何もされてないけど、ずっと泣いてたという意味だったけど伝わってないようで。
首を傾げて、不思議そうに私の背中をなでるだけ。
私が落ち着いて話せるようになったのは、休み時間が終わってもしばらく経ってからだった。
「そっか……留美子は龍平が好きなんだ」
ふたりで並んで柵にもたれて座り、昨日からの出来事を美雪に話していた。
「好きじゃないもん。あんなバカ、好きになるはずないもん」
立てたひざにおでこを当てて、美雪の質問に答える。
どうしてこんな事を美雪に話してるんだろう。
美雪だって死んじゃうのに、龍平とは何かが違う。
あゆみも、美雪も、美紗にだって会えなくなるし、悲しいはずなのに。
「留美子がそう思ってるならそれで良いけどね。だったらどうする? やめちゃう? カラダ探し」
その言葉に驚いた私は、ひざの上で顔を横に向け、ジッと美雪を見つめた。
でも、美雪の表情からは、それを冗談で言っているわけではないという事が読み取れた。