何を勘違いしているのか、龍平があゆみに手を伸ばした。
ここに来るまでのあんたならともかく、本性がバレたあんたに手を借りようなんてやつは誰もいないよ。
「え? あ、いらない」
そう言って、美雪の手をつかんで立ち上がろうとしている。
こんな龍平を見るのはいつ以来だろう?
半泣きになりながら、出した手を恥ずかしそうに引っ込めていた。
あゆみのカラダを回収して、校舎の中に戻った私達は、早く生徒玄関にと階段を駆け下りた。
三階に到着して、すぐに二階へと向かう。
まだ後一日残っているのに、ほとんど終わったも同然だ。
健司がいくら誰かを犠牲にしようとしても、健司以外の全員がカラダをそろえたから、それももう無理。
カラダを全部見つけるしか、方法はないのだ。
はやる気持ちを抑えて、踊り場を過ぎて二階までもうすぐ。
と、言う所まで来たのに……。
赤い人が、生産棟の方から、ものすごい勢いで階段の前に現れたのだ。
「キャハハハハハッ! いっぱいいる!!」