こんなにドアの近くにいると、赤い人が入って来たら一発で殺されちゃうよ。


でも、何か考えがあるのか、龍平はこんな場所で私の口に手を当て、しゃべらないようにふさいだのだ。












「まっかにまっかにそめ……」












歌声が、職員室に差しかかった。


ここに入って来ませんように……。


ずっとそう祈り続けたけど……ドアがかすかに揺れて、開けられる!と、思った時だった。










「キャハハハハハハハッ!」












突然笑った赤い人に、私は悲鳴を上げそうになるほどの恐怖を覚えた。


み、見つかった! もうダメだ!


今日も殺されて終わるんだ!


つないだ手をギュッと握りしめて、私は死を覚悟した。


だけど……。










「キャハハハハハハハッ!」











笑い声は、この部屋ではなく、どこか別の場所に向かって移動を始めたのだ。


職員室のすぐ隣、階段を駆け上がっているような。


と、なると……美雪達が見つかった!?


私達には聞こえなかったけど、赤い人が気付いてしまうような音を立ててしまって、気付かれたんだ。


「何だ? 誰か見つかったのか?」