「早く教えに行こうよ! あ……赤い人がまだ体育館にいるから、廊下には出られないか」
「それもあるけどな、まだこの部屋を全部調べたわけじゃねぇだろ?」
まだこの部屋にカラダが隠されてるかもしれないって事?
その可能性は低いと思うけど、龍平が手を放してくれないから、私は従うしかなかった。
それにしても、美雪とあゆみは遅いな。
ふたりで調べてるんだから、私達より早く調べ終わりそうだけど。
あゆみがあんな状態だから、美雪ひとりでやってるのかな?
それに、赤い人の歌も聞こえたなら、一階にのこのこやって来るはずもないか。
「赤い人はまだ来ないみたいだな……どうする、行くか?」
職員室を調べ終わった私達は、廊下から出るべきか留まるべきかを迫られていた。
赤い人が戻って来る可能性を考えたら……一刻も早くここから離れた方が良いのかな。
いやいや、廊下に出たとたん見つかってしまう可能性を考えると、通り過ぎるのを待つべきかな。
「私、判断できない。あんたが決めてよ」
どうせつないだ手が離れる事はないんだから、行くも行かないも龍平と一緒だし。



