龍平に引かれるままに、私もソファに近付いた。
ここにある、カラダが隠されてそうな場所はキャビネットだけ。
龍平が慎重にそれを開けて、私はその中を照らす。
でも、カラダはここにはないようで、ソファの下を見ようと龍平が床に顔を近付けた。
私もそれに付き合うようにかがんで、ソファの下を携帯電話で照らす。
すると……。
「ん? 留美子、こっちじゃない、テーブルの下だ」
「何? テーブルの下にあんの?」
言われた通りにそこを照らした私は……ドキッとして、全身に冷たい物が流れる感覚に包まれた。
案内されたり、そこにあると分かって見たわけじゃない。
見た所にカラダがあった感覚は久し振りで、不意討ちに遭ったよう。
「脚だ……右脚。スニーカーだから美雪のだよ」
やっとひとつ見つける事ができた。
健司がどこにあるか教えてくれてたら、すぐに見つけられたのにさ。
でもまあ、今日で全部の部屋を調べられそうだし、最悪明日もあるから良いんだけど。



