「高広さんは強いよ。どうやったらあんなに強くなれるんだってくらいに。でも、あの人は格闘家じゃないからな。俺は、格闘家としての武司さんに勝ちたいんだ」
んー、違いが良く分からない。
でも、それはきっと龍平にとっては重要な理由なんだろうなあ。
「まあ、何でも良いや。私には分かんないし」
「だな。この部屋にカラダはねぇし、隣の部屋に行くぞ」
いつもと同じ暗い学校で、いつもと同じカラダ探し。
だけど、いつもとは何か違ってて。
怖いはずなのに、安心感がある。
それは、このつないだ手が原因なんだろうけど、私は認めたくない。
龍平なんかに安心を与えてもらってると思いたくないから。
事務室を出て、会議室、応接室、校長室と調べたけど、カラダは見つからない。
そもそも、健司がどれだけのカラダを見つけたのかが分からないから、もしかするともうないのかもしれないけど。
東棟一階は、残っているのは職員室とトイレだけ。
「二階のふたりは見つけたかな? あゆみも美雪も、後二つだから、あると良いんだけど」