あの女の子は背中を向けてるし、私の勘違いかな?


それでもしばらくの間、今の言葉が頭から離れる事はなかった。


「あなた達……今日死ぬわね」


あんなにハッキリと聞こえたのに。


あゆみと美雪は聞こえなかったのかな?
おかしいなぁと首を傾げながら、私はふたりの後を歩いていた。















「よーし、カラオケ行こうぜカラオケ!」


何をしようかと、ファストフード店でドリンクを飲みながら話をしていたら……変な奴に捕まった。


「留美子、悪い。こいつ、言い出したら聞かなくて」


クラスメイトの健司が、申し訳なさそうに呟く。


「良いよ良いよ。どうせこいつが『お、あいつら何してんだ? 行ってみようぜ』とか言ったんでしょ?」


「る、留美子……お前エスパーかよ!?」


「あんたが言いそうな事くらい分かるっての!」


この頭が悪そうなのは池崎 龍平。


授業中も休み時間も、チラチラとあゆみを見ている、あゆみの事が好きな分かりやすい奴だ。


「まあ良いんじゃない? 健司と龍平がいても困るわけじゃないしさ」


あゆみがそうやって甘やかすから、バカ龍平が調子に乗るんだよ。