生産棟二階かあ。健司が見つからなきゃ良いけど。


赤い人の恐ろしさは分かってるはずだから、下手な事はしないとは思うけど……どうしても、ここ数日の健司の亡骸を思い出してしまう。


あいつ、運が悪いのかな。


「留美子、光をくれ」


校内放送を聞いて、考え込んでいた私の手をグッと握り、催促する龍平。


「ん、どの辺り?」


この状況に慣れてしまったのか、何の疑問も抱かずに携帯電話を室内に向けた。


物が多いけど、きれいに整理された部屋は、カラダがありそうな場所を特定しやすい。


「龍平はさ、どうしてカラダ探しを終わらせようとしてんの? 自分がいなくなる世界に戻そうとしてるのに」


龍平が調べている間、私は光を向けているだけで他にする事がない。


だから、疑問に思っている事をぶつけてみた。


「ん? 言わなかったか? 俺は好きな人がいない世界なんて嫌なんだよ。それだけ」


確かにその話は聞いたけどさ、何か隠してるような気がするんだよね。


もしも私だったら……どうせいなくなるなら、成功しようとしまいとどっちでも良いと思うし。


「あんたの行動、意味不明なんだよね。一番分かんないのは、武司さんと喧嘩してる事かな? なんでわざわざ殺されに行くの?」


そのおかげで、私まで巻き添えで殺されたしさ。