「じゃあ後でね。カラダが見つかったら教えてね」
美雪とあゆみが、続いて生徒玄関に向かった。
皆を見送って、龍平に目をやると……まだ悔しがってる。
「龍平、ドアが開いたよ? いつまでも落ち込んでないで、カラダを探しに行くよ?」
肩に手を置いて軽く揺すってみるけど、龍平は立ち上がらない。
ちょっと……ここでこんな事してたら、赤い人に見つかってすぐに殺されちゃうって。
「ほら、早く行くよ! のんびりしてる暇なんてないんだから!」
龍平のわきに手を入れて、グイッと上に引き上げるけど、重くて全然動かない。
何度もフンフン言いながら力を込めても、私の力では話にならない。
もう諦めて、私だけで行こうと手を放した時だった。
龍平が、私の手をつかんだのは。
「うわっ! ……びっくりした。あんた何してんのよ」
今まで動こうとしなかったのに、急に私の手をつかんで立ち上がる仕草を見せた。
でも、悪い気はしないかな。