私に近付いて、強い口調で耳打ちする。


あー……気にしないのは私達だけで、あゆみは気にするって事か。


そういう事なら仕方がないかな。


「でね、手前の部屋から調べて行って、調べ終わったら南側の階段で二階に上がって来てよ。もしも私達の方が早かったら、一階に行くからさ」


美雪の説明で、今日やることは分かった。


それにしても……今日は美紗の姿が見えないけど、どこにいるのかな?


「美紗がいないね。どこにいるんだろ」


と、言っても、一緒にいたのはここ何日かで、カラダ探しを始めた頃は、今日みたいに一緒にはいなかったんだけどね。


それを考えると、いなくても不思議ではないかな。


「学校中を調べたって言ってたし、私達は東棟に行くでしょ? だから、今日は別行動なんじゃないかな?」


美紗も、カラダの一部を探してるんだよね。


私もそれを手伝いたいけど、皆のカラダがまだ見つかっていないからなあ。


そんな事を考えている間にも、生徒玄関のドアが開く。


それを見ていた、ブツブツと呟いている健司が、真っ先に校舎の中に入って。