「もういいって。この世界が武司さんの意識の中なら、私達の邪魔をするのは当然だと思うし」


それを聞いて、不安そうな表情が、ますます色濃くなるあゆみ。


「やっぱり……何かおかしいと思ったんだ。あんなに優しかったお兄ちゃんが、急に部屋の外から鍵をかけるんだもん……」


だから学校にこれなかったのね。


想像通りと言うか、やり過ぎと言うか。


そもそも、私がカラダ探しをさせてるわけじゃないから、武司さんに殺される意味が分からないんだけどね。


そんな事を言っても、あのシスコンには通用しないんだろうなあ。


「その話は後でするとして、今日は東棟を調べるよ。私とあゆみで二階を調べるからさ、留美子と龍平で一階をお願いできる?」


健司が調べたはずの東棟。


そこに行くのは良いとして、どうして私が龍平となんだか。


このグループ分けに、美雪の悪意を感じる。


「ちょっとちょっと、美雪。どうして私が龍平と……」


「だって、武司さんが留美子と龍平を殺したんでしょ!? 一緒にいると気を使うじゃない!」