と、私がそこまで言った時、ヒビがさらに大きくなって……頭の中に響いた、ゴンッ! という音と共に、目の前がグラッと揺れて私は地面に倒れた。
一瞬見えたのは武司さんの左手で……今になってようやく痛みを感じ始めた。
顔が……首が、骨が砕けたかのようにズキズキと痛む。
激しい痛みに、とても耐えられそうにない。
「あ……あ……ああああっ!!」
あまりの苦しさに、言葉を出せずにうめき声を上げるだけ。
地面にのたうつ私が、必死になってつかんだ何か。
ゴツゴツしてて、握ると少し形を変えたけど、温かくて……。
こんな状況でも、なぜか少し安心できた。
目を開けてみると、それは龍平の手で。
私がいくら握っても握り返してくれない。
まだ生きているのか、それとももう死んでいるのか分からないけど、今の私にそれを判断できるはずもなくて。
「何だ? テメェら、そんなに仲が良かったのかよ。だったらふたりまとめて死ぬ!」
異性である私の腹部にも、容赦のない蹴りが入り、胃の中の物が逆流してくる。
苦しい……痛い……。
こんなに辛いのは、今まで味わった事がない。
赤い人ならすぐに殺してくれるのに。
そして……武司さんの足が、私の首を思い切り踏み付けた。