立ち上がった龍平の頭部に、武司さんの右脚が襲いかかる。


そのハイキックを、左腕のガードで受け止める……けど、ボロボロの龍平が耐え切れるはずもなく。


勢いに負けて、再び倒れる龍平。


立った事が奇跡みたいなのに、これ以上戦えるはずないじゃない!


いくら私がそう思っても、龍平は諦めない様子で。


倒れてもまだ、武司さんをにらみつけて口を開いたのだ。


「ぼう時間がだいんだ……あんたに勝つチャンスは、明日ばてしかだいんだよ!」


明日、カラダ探しが終われば私達はどうなるか分からない。


それが分かっているから、龍平はそれまでに武司さんに勝ちたいんだ。


本気の、一切の手抜きをしない武司さんに。


「意味分かんねぇよ! だったらテメェは一生俺には勝てねぇよ!」


そう言って、倒れている龍平の腹部に蹴りを入れる。






何度も何度も……。







蹴られる度に、口と鼻から血が吹き出して、それが地面を赤く染め上げる。



「テメェは! 俺に逆らわず! ただ! 命令に! 従っていれば! 良いんだよ!」