だけど、このままじゃ昨日みたいに殺されてしまいそうで。


私はふたりに近寄り、龍平を見下ろしている武司さんを見た。


「やっぱりテメェも生きてやがんのかよ! 不死身か!?」


龍平が生きていたから、私が生きていると想像していたのだろう。


その瞬間、世界のヒビが少し大きくなったような気がした。


この世界は、武司さんの意識の中。


大きくなったヒビが、そうであるという事を、完全には信じていなかった私に教えてくれた。


「た、武司さん……あゆみは……」


「あぁ? 危険な目に遭わないように、俺が保護してやってんだよ! あいつは……二度と離さねぇ!」


龍平だけじゃなく、私にも殺意に満ちた目を向ける。


フラフラと出てしまったけど……これってまずいよね。


龍平は殺されたわけじゃないけど、同じ事をされたら私は間違いなく殺されてしまう。


ゆっくりと構える武司さんを前に、私は思わず後ずさりした。











「お前も、もう一度死ねよ」











武司さんがそう言った時、龍平の手が地面を突いた。


「ハァ……ハァ……じゃばすんな……るびこ……」


鼻血が出ているためか、名前すらもまともに言えていない。


こんなにやられているのに、まだ立とうとするの?