夜になれば、あゆみはカラダ探しをするために学校に呼ばれるし、今助けられなくても問題ないのに。


もしかすると、龍平がカラダ探しを終わらせようとしている理由がそこにあるかもしれないと思うと、声をかける事ができなかった。


私が見守る中、龍平は負けじと反撃をしたけど、それらはことごとく武司さんに避けられて、一発も当たる事がなかった。


それどころか、反撃で何度も殴られ蹴られ、もう立っているのもやっとだという状態。


構える事もできない、手をダラリと垂らしている龍平が、ここから逆転するのは不可能だと、私でも分かるほどだ。


「テメェ、何しに来たのか知らねぇけどよ、良い加減死ね! 昨日殺してるからよ、遠慮なんてしねぇぜ?」


そう言った武司さんの蹴りが、前屈みになった龍平の後頭部に襲いかかった。


上から下に、叩き付けるような蹴りが龍平の頭をとらえて。













顔面から地面に叩き付けられて……ついに龍平は倒れた。


完全に武司さんの勝ちで、龍平に良い所なんてひとつもない敗北。


「りゅ……龍平……」


かける言葉も見つからない。