今日は月曜日だから、普通に考えれば仕事に出ているはず。


でも、ここまでおかしな事になってるなら、武司さんが家にいるって事もありえるかな。


楽観的に考えようとしても、不安が頭をよぎる。


15分程歩いて私の家を通り過ぎて、あゆみの家までもう少しという所で、どこからか怒鳴り合うような声が聞こえてきた。


それは、この近くにある小さな公園の方から聞こえている。


私とあゆみが小さい頃から遊んでいた、ブランコとシーソーだけの公園。


そこに近付くにつれ、声がはっきりと聞こえるようになって来た。









「テメェは何なんだよ! 何度殴られりゃ死ぬんだ!!」










武司さんの声だ。


まだふたりの姿は見えなくて、どういう状況か分からないけれど、何か嫌な予感がする。


不安が、私の脚を前に動かす。


見たくないのに、見なければならないという思いが強くて。


そして、ようやくふたりの姿が見えた時、私はその光景に息を飲んだ。











対峙する龍平と武司さん。


だけど、龍平はもうボロボロで、カッターシャツも破れて、顔も殴られた痕が痛々しい。