ふたりの肩越しに私は泣いているけど、顔を上げたら美紗はニヤニヤと笑っているに違いない。
だから私は顔を上げる事なく、落ち着くまで泣き続けた。
泣き続けて一限目の途中。
私が落ち着いたのは、それくらい時間が経った時だった。
もう、美雪と美紗の肩はビショビショで、申し訳ないとは思ったけど、まあ良いか。
「よし、じゃあ行ってこようかな」
泣くだけ泣いたら吹っ切れたよ。
美雪が私のために頑張ってくれるのなら、私も精一杯頑張らなきゃね。
じゃないと、どんな結末になるにしても、納得なんてできそうにないから。
「行くってどこに? まさか、龍平の所に行くとか言わないよね?」
「だってさ、やっぱり放っておけないでしょ。もしも武司さんが家にいたら、危ないかもしれないでしょ?」
なんて言っても、本気を出した武司さんが相手なら、私がいても何の役にも立たないと思うんだけどね。
「やめなよ。龍平が行ってダメなら、誰が行っても同じだと思うよ」
美雪も私と考えている事は同じ。
だけど、美雪にカラダ探しを終わらせようとする理由があるように、龍平にも同じような理由があるんだろうと思うと、それを知りたいから。