「結局さあ、赤い人って何なのよ? なんで人を殺すわけよ」


「なんでって言われてもね。私も何も知らないしさ、知ってる人なんているのかな?」


時計の針は17時を回り、何の身にもならない話を切り上げて、私達は下校していた。


美雪の家は反対方向だし、健司とは途中で別れた。


あゆみと私のふたりで、どこかの店に行こうか……なんて話していたのに。


「赤い人か……なんかよ、美紗ちゃんに似てねぇか? 大きくなったら、たぶん美人になるぜ」


なんで龍平まで一緒にいるんだか。


今さらこいつの不可解な行動に突っ込む気も起きないけど、当たり前のように付いて来るのは勘弁して。


「あー、不気味なところはそっくりかもね。てか、赤い人の顔なんて見てないよ。龍平は見たの?」


「おう。バッチリよ! 今度見てみ、俺の言ってる事が正しいって分かるから」


……赤い人を見たら振り返れないじゃない。


まあ、私も近距離で見たけどさ、顔なんて血まみれで良く分からなかったよ。


「とりあえず、座れて軽く食べられる店に行こうよ。もうお腹減っちゃってさ」


頭を使うとお腹が減るよね。


私達3人は、近くにあるファストフード店に向かう事にした。