スプーンを持って、ゆっくりとそれを口に運ぶ美紗を見ながら、私は言われた言葉を思い出した。
外に出ると少し危険か……。
窓の外を見てみると、特に変わった様子もないヒビ割れた世界だけど。
何が危険なのか、美紗の身体が治ってから聞くしかない。
「ふぅ……なかなか美味しいカレーだったわ。メーカーはどこかしら」
食べている間にも、昨日見たよりも早く腕と脚がつながって行ったのが分かる。
でも気になるのは……血で汚れたベッドとカーペットはきれいにならずに汚れたまま。
美紗の家じゃないから、このままって事?
ガックリと肩を落とし、ハアッと溜め息を吐いた私は、話を聞くために美紗の顔を見た。
「でさ、外は危険って何? 危険だったら、私だけじゃなくて美雪とかあゆみなんかもまずいんじゃないの?」
私が尋ねると、美紗はつながったばかりの腕で身体を支え、カレー皿の乗ったお盆を床に置き、ベッドに横になった。
カーペットやベッドは血まみれのなのに、美紗の制服はきれいになってるとか、不公平だよね。