私はベッドから下りると、部屋を出て一階へと向かった。
台所に入り、すぐに冷蔵庫を開けてみるけど……ろくな材料がない。
おばあちゃんがいないと、ママは買い物もサボるんだから。
昨日帰って来たから、また怒られる日々が始まるんだろうなあ。
「あー……レトルトのカレーとパンかぁ。美紗ならカレーでも良いよね」
すぐにそう判断して、鍋を火にかけて。
カレー皿にご飯を山盛りにして、水とスプーンを用意し、温まるのを待ちながら私はパンをかじっていた。
しばらくして、温まったのを確認した私は、それをご飯にかけて二階に持って上がった。
今まで美紗は、自分がどんな状態でも、私の家に来るなんて事はなかったのに、あんな姿で現れるなんて。
どうやってここまで来たのか分からないけど、今さら驚く事でもないかな。
「美紗! カレーで良い!? 足りないかもしれないけど!」
部屋に入り、ベッドの上にお盆を置いて、そう尋ねた。
「ありがとう、柊さん。でも……こんなに山盛りで、本当に私が食べられると思ってるのかしら?」
「あんたなら食べるでしょ? 何でも良いから、早く食べなさいよ」