そう考えて教室を出た私は、中庭を見てその足を止めた。
えっ……? な、何これ……私の目、おかしくなっちゃった?
何度も目を擦り、見直してみるけど……確かにそれは中庭にいる。
まったく同じ顔の、髪の長い小さな女の子がふたり、中庭で楽しそうに遊んでいたのだ。
あ、あれは……赤い人!?
しかもふたりもいる!
何で!? どうしてふたりも!?
慌てて身を屈めて、中庭から私が見えないように窓の下に隠れた。
ひとりでも辛いってのに、さらにふたりも増えるなんてどういうつもりよ!
こんなの私達に死ねって言ってるようなもんじゃない!
……でも、襲って来る気配はない。
それに、全身真っ赤でもないし、服も違ったから……赤い人じゃないのかな?
赤い人とは違う何かを感じて、私はもう一度中庭を見るために、そっと立ち上がって窓の外を見た。
声は聞こえない。
それなのに、楽しそうにふたりで話しているようで。
この光景を理解する事もできずに、私はただ眺めているだけ。