「キャハハハハハハッ! 待て待てっ!」
ここにいる私には気付かないで、ステージの反対側。
龍平達が逃げた方に、赤い人は走って行った。
良かった……ふたりには悪いけど、逃げるなら今しかない!
恐怖で固まっている身体を無理矢理に動かして、ステージから下りた私は、体育館の入り口に向かって走りだした。
と、同時に二階の観覧席に飛び出す龍平達。
えっ!? 何で出て来るのよ!
あんた達が出て来たって事は……。
「キャハハハハハハッ!」
やっぱり赤い人も出て来たっ!!
で、でも、目の前にいる龍平達を無視して、私を追いかけて来るなんて事はないよね!?
「くそっ! こんな所で死んでたまるかよっ!」
昨日から、カラダの回収をしようとして、まだできていない龍平。
その思いが爆発したのか、二階の観覧席の一番下段に駆け下りて、凄まじい勢いで加速する。
あっと言う間にバスケットボールのゴールの支柱の前にたどり着いて、小さな柵をまたいでそれに足をかけたのだ。
まさかとは思うけど……飛び下りるつもり!?
「龍平!? 何してんの!」
走りながら、二階にいる龍平に尋ねると。