美雪がそう言った後、私達はいろいろと話してみたけど、これと言った解決策もないまま昼休みを終えた。


まだ、あれが自分の身に起こった事だとは信じられなくて、私はボーッと窓の外を眺めている。


半年くらい前に結子さんが言っていた。


道に落ちてるうさぎのぬいぐるみは拾わない方が良い……赤い人が取り返しに来るって。


だとすると、昨日龍平が蹴飛ばしたぬいぐるみが、赤い人のぬいぐるみだったって事かな……。


考えるまでもないよね。


私の部屋に突然ぬいぐるみが現れて、変な女の子に殺されたんだから。


あのバカ!


こうなったのは龍平のせいじゃないのよ!


あいつが蹴らなきゃ、誰もあのぬいぐるみに触らなかったんじゃないの!?


あまりの怒りに、授業中だろうが関係なく、後ろを向き龍平をにらみつける。


しかし、当の龍平はと言うと、親しげに小野山美紗とヒソヒソ話をしていたのだ。







「こんのバカ龍平っ!! あんた授業中だってのに何転校生とおしゃべりしてんのよ!! 私をナメてんの!?」



「ひ、柊! お前は先生をナメてるのか!? 授業中だぞ! 良いから静かにしなさい!」







静かな教室に、私と先生の怒号が響いた。