そんな事を考えていると……。








ドンッ!







と、ステージに小さく衝撃が走った。


「アハハッ! もう一回!」


無邪気にそう言った赤い人は、ステージに上がってくるような気配はなくて。


私達に気付いてもいない様子で、またペタペタと足音を立ててステージから遠ざかって行ったのだ。








何?








もしかして……遊んでるだけとか?








私も昔、休みの日に体育館に来て、意味もなくテンションが上がって走り回った記憶がある。


それなのかな? だとしたら、今がチャンスだよね。


逃げるにしろ隠れるにしろ、赤い人が遊んでいる今しかない!


龍平達もそれに気付いたのか、自分の手に携帯電話の光を当て、上を指差していた。


つまり……私にも二階に上がれって事?


こっち側にも階段はあるけど、本当に二階に行くつもり?


私がさっき心配してた事が、現実にならなきゃ良いけど。


そして、龍平と健司が移動を開始するのを見て、私も移動しようとそっと足を踏み出そうとした時、その声は聞こえた。