健司が私達にそう言い、一番手前のドアに向かって歩き始める。
確かに普通の状況ならそれでも良いんだろうけど、今はとても普通とは言い難い。
「ダメだって! どうせカラダを見つけても、見つからなかったとか言って私達をだますつもりじゃないの?」
半信半疑……なんて生やさしいものじゃない。
まだカラダの場所を教えてくれない健司を、私は信用する事ができないから。
「チッ……信用ないんだな」
どの口がそんな事言ってるわけ!?
信用してほしかったら、カラダの場所を隠さずに全部言いなさいよね!
健司をひとりにさせないようにと、3人で入った更衣室。
体育の時は男子は教室で着替えて、女子はここで着替えるから、女子更衣室という事になる。
木製の棚と、流し台があるこの部屋は、見回しただけでカラダがない事が分かった。
更衣室を出て、隣の倉庫。
体育の時間や体育祭の時に使う道具があって、ごちゃごちゃしてて調べにくい。
「あーもう、何これ。勝利をつかめ! 赤組? 何年前のやつよ」
隅っこに片付けられていた看板のようなものを照らして、その付近の棚を調べる。



