「そういや……生徒玄関は誰か調べたのか? 後、そっちのホールとか」
「んー、私はここの担当じゃなかったからね。まだじゃないの?」
カラダが全然足りないって言うなら、まだ調べてない場所があるのは良い事なのかな。
「まずは留美子の頭部を回収だろ。もしかすると、ついでに俺達の頭部も回収できるかもしれないからな」
自分の頭を指差して、健司がニヤリと笑う。
そうか……健司のやつ、それが目的だったんだ。
最初に開けようとした時に開かなかったから、私がショーケースを開けられるかもしれないと思って。
そして、私が開けたら自分もついでに回収しようって魂胆なわけね。
やり口がセコいって言うか、汚いって言うか。
まあ、私はカラダ探しを成功させようとしてるんだから、健司のカラダがそろうのを邪魔する必要なんてないんだけどね。
生徒玄関にあるショーケースの前に立ち、そこに携帯電話の光を向けた。
その瞬間、感じる息苦しさと不気味さ。
5人の頭が、一列に並んでいるのだから、気持ち悪くないはずがない。



