階段の南側にある教室に入り、ドアを閉めてホッと一息。


「健司、お前何で俺達と一緒に来てんだよ。協力する気はねぇんだろ?」


私より先に、龍平が尋ねた。


もしかして、赤い人に追いかけられて考えが変わったかな?


なんて、甘い事を考えたけど……。


「当たり前だ。俺はだまされないからな。ただ、聞いておきたい事があったから来ただけだ」


そんなわけないか。


何度も赤い人に殺されてるんだから、追いかけられたくらいで考え方を変えるはずがないね。


「聞きたい事って何よ? カラダの場所を聞こうっての?だったらあんたが見つけたカラダの場所も教えなさいよね」


初めから、取り引きをする約束だったけど、健司は私との約束を守るつもりはなかったんだよね……。


絶対にうまくいかないと分かってる「カラダの管理」を、今日まで自信満々に引っ張って来たのは、私を犠牲にする予定だったから。


「まあ待て、とりあえず場所は言わなくて良いから、俺のカラダをいくつ見つけたか教えてくれよ。俺もいくつ見つけたか言うから」