カラダ探し~第三夜~


どうすれば良いのか分からないのは皆同じなのか、龍平だけじゃなく、健司の姿もそこにあったのだ。


しばらくそこにいても、赤い人は追いかけて来なくて。


逃げ切る事ができたのかと少し気を抜いていた時、それは聞こえた。










あ~かい ふ~くをくださいな~












久し振りに聞く、赤い人の歌だ。


その声は小さく、遠くから聞こえている。














し~ろい ふ~くもあかくする~













だけど、話なんかしたら、すぐにこっちに向かって走って来るんだろうな。


休んでいるのに、そうなってほしくはない。


私は人差し指を立てて口に当てると、ふたりにそれを見せた。
















まっかにまっかにそめあげて~














そして、南側にある教室を指差して、ゆっくりと音を立てないように立ち上がり、歩き始めた。


廊下で話してると赤い人に気付かれるかもしれないから、教室の中で話そう。


協力する気がない健司に文句のひとつも言いたいし、うまくカラダの場所を聞き出す事ができれば……なんて考えて。