私達は、転がり落ちるかというような勢いで、階段を駆け下りた。
どこに行けば赤い人から逃げられるのかは分からない。
生徒玄関に行って、手っ取り早く頭部を回収しても良いんだけど、美雪やあゆみ達のカラダはまだまだ足りないから、こんなに早く死にたくはない。
「健司! ついて来るんじゃねぇよ!」
「お前こそ! 俺について来るな!」
階段を下りて二階。
今、赤い人がどこまで来ているのかまったく分からないけど、そんな言い合いをしていたらすぐに見つかってしまう。
「話してないで! さっさと逃げる!」
このまま一階まで下りるべきか、図書室の前を通って西棟に行くべきか。
一瞬迷って、一階に行く事を選択した私は、再び階段を下り始めた。
その後ろから、バタバタと音を立てて誰かがついて来る。
龍平か健司か、どっちがついて来てるんだろうと、踊り場で振り返ると……ふたりとも来てる!
何で皆来てるわけ!?
赤い人に追いかけられたら、全員一気に殺されるかもしれないじゃない!
何て考えてても仕方がない。
一階に下りた以上、皆生徒玄関の方に向かって走るしかないんだから。



