カラダ探し~第三夜~


そんな風に考えてたんだ。


私は、龍平を犠牲にしようとか考えてたのに。


カラダ探しを成功させようなんて考えになったのは、つい最近の事で、偶然が重なっただけ。


「きれい事言うな! 自分が死んだら意味ないだろ!! 誰が死んだって、生きてた者勝ちなんだよ!!」


「だったらよ、失敗させて続けたこの世界で、誰が俺達を赤い人から守るってんだ!! お前は今、赤い人に殺されてここにいるんじゃねぇのかよ!!」


健司と龍平の話は平行線。


怒鳴り合いを続けていると……。






「キャハハハ……」






話の合間に……あの声が聞こえた。


まずい! 生産棟にまで聞こえたんだ!
このふたり、夜の学校にいるって分かってるの!?


「ちょっと! ストップストップ!! 赤い人が来てる! 逃げるよ!」


慌ててふたりの間に割って入って、近くにある階段を指差して、私は走り出した。


「生産棟にいるんじゃなかったのかよ!」


「あんたらが大声出してるからでしょ!!」


今、赤い人がどこにいるのか分からないけど、この場にいたら間違いなく殺されてしまうから。