そんな風に考えてたんだ。
私は、龍平を犠牲にしようとか考えてたのに。
カラダ探しを成功させようなんて考えになったのは、つい最近の事で、偶然が重なっただけ。
「きれい事言うな! 自分が死んだら意味ないだろ!! 誰が死んだって、生きてた者勝ちなんだよ!!」
「だったらよ、失敗させて続けたこの世界で、誰が俺達を赤い人から守るってんだ!! お前は今、赤い人に殺されてここにいるんじゃねぇのかよ!!」
健司と龍平の話は平行線。
怒鳴り合いを続けていると……。
「キャハハハ……」
話の合間に……あの声が聞こえた。
まずい! 生産棟にまで聞こえたんだ!
このふたり、夜の学校にいるって分かってるの!?
「ちょっと! ストップストップ!! 赤い人が来てる! 逃げるよ!」
慌ててふたりの間に割って入って、近くにある階段を指差して、私は走り出した。
「生産棟にいるんじゃなかったのかよ!」
「あんたらが大声出してるからでしょ!!」
今、赤い人がどこにいるのか分からないけど、この場にいたら間違いなく殺されてしまうから。



