カラダ探し~第三夜~


それを聞いて、驚いた表情を浮かべた健司。


いやいや、一番驚いたのは私だって!


何よ! 私に話を持ちかけておいて、やっぱり私を犠牲にしようとしてたわけ!?


話に乗ってたら、私だけカラダの場所を教えてもらえなかったって事!?


そう考えると、だんだん腹が立ってきた。


「健司! あんたねぇ……」


そこまで言った時、私を制するように首を横に振った龍平。


「健司、もうお前の味方はいねぇよ。皆、カラダ探しを成功させて、呪いを解こうとしてんだよ」


「ふ、ふざけんな! お前、バカじゃないのか!? 元の世界に戻して、いなくなるやつらが全員それを望んでるのかよ! だったら失敗させて、この世界を続けるべきだろ!」


健司の主張は、カラダ探しを始めた頃からまったく変わってない。


誰の意見も聞こうとせずに、自分で答えを出して。


美紗がいなかったら、もしかしたら私も健司と同じような考えでいたのかなと思うと、他人事じゃない。


「俺は……嫌なんだよ。俺が好きな人の、誰かがいない世界なんてよ。留美子も美紗ちゃんもいない世界なんて考えらんねぇ」


龍平が言ったその言葉で、私は泣きそうになった。