カラダ探し~第三夜~


「どうせあんたの事だから、スカートの中を見たんでしょ? まあ良いけどね」


とは言っても、今見られたら殴ってやるけど。


溜め息を吐きながら教室を出た私は……廊下に誰かの人影がある事に気付いた。









えっ……誰?










赤い人じゃない事は、その身長から分かる。


だけど、美雪達は工業棟に向かったはずだし、可能性があるのは……。


「け、健司……」


龍平が携帯電話の明かりを人影に向けて、そう呟いた。


「どういう事だ……どうして留美子とここにいる!! 理由を言えよ!!」


鬼気迫る表情で私達に歩み寄り、龍平を怒鳴り付ける。


私達の後を尾行していたのか……いや、それなら「どうして留美子と」なんて言わないと思う。


健司はたぶん、自分が見つけたカラダがまだあるかどうか、確認してたんだ。


もう日数が少ないのに、私達の誰かを犠牲にするために、できもしないカラダの管理を続けようと。


「残念だったな、健司。これで留美子を犠牲にしようって作戦は白紙だ。留美子の最後のカラダを回収したからな」


私をかばうように前に出て、龍平が健司を指差して言い放った。