窓際の椅子の上に、それはあった。
誰のカラダか……なんて考える前に、触れば分かる。
きれいに切断された、内蔵が見えている部分に手を伸ばしてそれに触れると……本日二回目、そして、頭部を除く最後のカラダだと分かる光に包まれて。
私の腰に、戻って来た感覚があった。
「よ、良かったな、留美子……」
「まあ……あんたには言いたい事がいろいろあるけどね。とりあえずありがと」
カラダが戻って、不思議とさっきまでのイライラが無くなっていた。
全部そろって安心したからか、カラダが戻ると気持ちが安定するのかは分からないけどね。
「じゃあよ、頭も回収できるんじゃないのか? 生徒玄関に行ってみようぜ」
言われなくてもそのつもりだけど、龍平もカラダを見つけないといけないんじゃないの?
「あんたはどうなのよ? 美雪が生産棟に男のカラダがあるって言ってたっしょ? 取りに行かなくても良いの?」
「いや、行きたいんだけどよ。まだ赤い人が生産棟にいるんだろ? だったら、今行くのは危険じゃないかと思ってよ」
ああ、そういえばまだ次の校内放送が流れてないね。



