腕組みして、チラチラと龍平の顔を見ると、引きつった笑顔を私に向ける。
言いにくそうに頭をボリボリかきながら。
「参ったな……その様子だともう分かってるみたいじゃねぇか。だったら言うぞ?」
わ、わわっ! ついに言われる!
今まで、私が美人過ぎて誰からも告白されなかったけど、人生初の生告白!
心臓がバクバク言ってる……先延ばしにするつもりだけど、告白される時ってこんな感じなんだ。
あー、ダメだ。言うなら早く言って!
「いやな、健司が見つけたっていう留美子の腰、どこにあるか知ってんだよ、俺。今から取りに行こうぜ」
は?
今何つった? 告白じゃないのかよ!
私の無駄なドキドキを返せ!
「龍平……あんたねぇ。時と場合を考えて言えっ! バカヤローッ!!」
うれしい話であるのは間違いないんだけど、私の気持ちを踏みにじられたような気がして、つい怒鳴ってしまった。
図書室を出て、龍平の後について東棟へと向かって歩く。



