東棟の二階の廊下を歩いて、図書室への渡り廊下に差しかかった時、龍平が不思議そうに首を傾げて立ち止まった。
「なあ、校内放送ってよ、誰が流してんだろうな? よっと……んー、誰もいねぇ」
ひとりで勝手に疑問に思って、勝手に放送室のドアを開けてるよ。
……あれ?
放送室のドアに触ったら、赤い人を呼ばれるんじゃなかったっけ?
でも、誰もそんな事を言ってないし……なんだろ、不思議な気分。
実際、龍平はドアを開けてるもんね。
私の思い込みだったのかな。
「ま、どうでも良いか。さっさと図書室に行こうぜ」
いや、普通気になるでしょ!
放送室に誰もいないなら、いったい誰が校内放送を流してるんだっての。
私は、こんな龍平に告白されるのかと、不安になりながら、図書室に急いだ。
図書室に入り、カウンターの中に入った龍平が声を上げる。
「お、あったあった! でも……これは俺のじゃねぇな。健司のだ」
私がカウンターの反対側からのぞき込むと、確かにあった男子の右脚。



