……なんで龍平が私と一緒に行く事になってるのか分からないけど、健司が邪魔をしてきた時には頼りになるかな?
「ほら、行くよ!」
名残惜しそうにあゆみと美雪に手を振る龍平の、制服の襟をつかんで東棟に向かった。
二階まで一緒に行っても良いんだけど、万が一健司が邪魔をする事を考えると、どこに行ったか特定できる二階で分かれるより、入り口で分かれてしまった方が良いという美雪の提案で。
事務所の前を通って階段を上がり、購買部の前を通った時、いつものあれが流れた。
『赤い人が、生産棟一階に現れました。皆さん気を付けて下さい』
校内放送だ。
生産棟一階という事は、廊下からも見られる心配もないし、ここからは遠いから時間はあるかな。
携帯電話を開いて、大職員室に入った私と龍平は、美雪に教えてもらったカラダの場所。
西棟側、窓際のキャビネットへと歩を進めた。
どこにあるか分からないカラダを探すわけじゃないから、簡単にそれを見つける事ができた。
「あったよ龍平! これは……私のかな?」
キャビネットの中に納められるように置かれた腕。



