美雪が、私と健司の間に割って入ったのだ。
「何も知らないくせに……どうにかしようとも考えてないくせに、何偉そうに言ってるのよっ!! 留美子は全部知った上で、それでも世界を元に戻そうとしてるんでしょ!? あんたはただ、自分が助かりたいだけじゃない!!」
今までに見た事もないような剣幕で、健司に怒鳴りつける。
それに驚いたのは健司だけじゃない。
龍平もあゆみも、美紗も。
ついでに私も。
「な、何だよ美雪。お前、自分が死んでも良いってのか?俺に協力すれば、生きてられるんだぞ?」
言われてもなお、取り引きを持ちかける健司に……美雪が平手打ちを放った。
「まだそんな事言ってんの!? 留美子はあんたと違って、迷って悩んで、ただ死ぬだけじゃない世界を信じて、元に戻すって決めたんだよ!? カラダ探しに失敗したら、全員赤い人に殺されるんだから……それくらい理解しなさいよ!」
美雪の言葉で静まり返る私達。
それにしても……ただ死ぬだけじゃない世界って何?
私はそんな事を考えてたっての?
知らなかった……。
「そ、そんな事を言って、どうせ俺を犠牲にしようって魂胆だろ! だまされるかよ!」



