「あんたはどうだったの? まさか殺されたわけじゃないでしょ?」
「私は……家に戻されて……部屋にずっと閉じ込められ……」
あゆみは無事だったのか。
兄妹だもん、殺すはずないよね。
と、なると……私達はどうすれば良いんだろ?
武司さんは私と龍平を殺したと思ってるのに、明日生きてたら、また殺されるかもしれないよね?
会わないように気を付けなきゃならないって事?
「美紗、どうすれば良いと思う? 私と龍平、武司さんに見つかったらまずいよね?」
私の言葉に、考え込むような表情で目を閉じる。
もう、どうして良いか分からない。
昼も夜も、追いつめられているような気がするから。
美紗の返事を待っていると、健司がこちらに歩いて来て、フッと笑った。
「留美子、何だお前。結局世界を元に戻すつもりなのか?あゆみや美雪が死ぬ事になっても良いって事かよ?」
健司は……私が行った事を信じていない。
誰かを犠牲にして、この世界を続けようと本気で思ってるんだ。
そんな事をしても、赤い人に殺されてしまうのに。
「あんたねぇ……」
立ち上がって、私がそこまで言った時だった。



