「やっと話ができそうだね。でも、健司と龍平はいいの?」


「健司はともかく、龍平はトイレの中にまで付いて来そうだから良いよ」


龍平の変態っぷりもかなり浸透してきたみたいだ。


私が突っ込まなくても、あゆみがその役をしてくれる。


それよりも小野山美紗だ。


ひとりだけ制服が違うせいか、かなり目立っている。


廊下の脇にいる生徒達は、長い黒髪のその美女に注目していた。


「なーんか、かなり目立ってるよね。ここにとびきりの美人が……」


「あ、トイレに入った! 行くよ留美子!」


最後まで言わせてくれても良いじゃない。


もしかして私って、お笑い担当?


そんな事はないと自分に言い聞かせて、トイレに入ると……。














「あなた達……ずいぶんと余裕があるみたいね。すぐにでも話を聞きに来ると思ったのに」














トイレの中で、私達が来る事が分かっていたと言わんばかりに、小野山美紗は待ち構えていたのだ。


「小野山さん、夜の学校のカラダ探しって何だか……分かるよね?」


私達を見つめる小野山美紗に、美雪が穏やかな口調で尋ねる。


てか、カラダ探しって何!?