カラダ探し~第三夜~















……いや、知らないよ。









そんな話、本人からは聞いた事ないし、誰も言ってくれなかったから。


「ねぇ、留美子は気付いた? 明日香さん達が帰ってすぐに、ヒビが増えた事に」


どうでも良い龍平の話が終わった所で、美雪が口を開いた。


確かにその時、妙な違和感があったけど……ヒビが増えてたの?


ヒビの大きさしか見てなかったから、そこまで細かい部分は気にしてなかったな。


「増えてたのかぁ。何か変な感じだったのは分かったんだけどね」


やっぱり美雪は細かい所に気付くよね。


ヒビが見えるのが私だけだったら、そうとも分からずにいた所だよ。


「ヒビが増えた……良い兆候とはお世辞にも言えないわね」


「そんなの言わなくたって分かるっての。でも、それで私達にどうしろっての? 何をしてヒビが増えたのかも分からないのにさ」


原因が分からないのに、手の打ちようなんてあるはずがない。


まさか、動かずに家でジッとしていろなんて言わないとは思うけどさ。


「注意する人は、伊勢君、森崎さん、浦西君、袴田君、二見さん、それと……八代先生かしらね」


それって……私の記憶の断片に出て来た人達じゃない。