「……判断が難しいわね。袴田君の行動が、私達を排除しようとする、この世界の意思なのかどうか」
そういえば美紗は、そんな事を言っていたような気がする。
「そんなたいそうな物じゃないと思うけど。武司さんはいつも他人にはあんな感じだよ? 昔、目が合ったって理由だけで、他校の金髪をボッコボコにしてたもん」
そう考えると、武司さんと知り合いで良かった。
さすがにその現場にいたあゆみは、反論できずにとぼけたような表情で私達を見回している。
「恐ろしいわね。でも、それならそれで良いわ。まだ世界は私達を特定できないでいるって事だと思うから」
特定できないかぁ……だとすると、派手に動き回るといつかは見つかるって事かな?
難しい話は良く分からないけどさ。
「それよりさ、龍平って武司さんに勝つくらい強かったんだね。私さ、ただのバカだと思ってたよ」
「あれ? 留美子知らないの? 龍平は、お兄ちゃんと同じ空手道場にいたんだよ? 何度か大会で優勝もしてるし」



