「龍平。テメェ、あゆみを危険な目に遭わせてるらしいな? 良くわかんねぇけど、それは万死に値するぜ」
「お兄ちゃん! だからそれは違うんだって! パチンコで負けたからって、八つ当たりはやめて!」
いったい何を武司さんに話したんだか。
こんな武司さんを見たのは、あゆみがどこかのヤンキーにナンパされた時以来だ。
「あゆみは黙ってな。これは俺と龍平の問題だからよ。どうなんだ龍平? とりあえずそこの空き地に来いや」
相変わらず理不尽な言い分だよ。
あゆみでも止められないとなると……後は結子さんしか……。
そう思って結子さんを見てみると、呆れたように首を横に振るだけで、止めようとしない。
「う、うす! お供します!」
龍平も、勘違いだって言えば良いのに。
武司さんの後ろを、トボトボと歩いて行く龍平の背中を見ながら、私は不安になった。
しばらくしたら、何事もなかったようにふたりとも帰って来る。
結子さんはそう言って止めようとせずに、美雪とあゆみと待っていたけど……私は心配で、こっそりと後をつけて、塀の陰からふたりを見ていた。



