「やるじゃない龍平。で? 何が分かったの? やっぱり夜の学校にいた女の子は、小野山さんだったの?」
いつになく、あゆみが龍平をほめる。
普段なら舞い上がって調子に乗りそうなもんだけど、今日の龍平は少し違った。
「間違いねぇ。美紗ちゃんは……ああ見えてDカップだ!」
は?
本気でバカなの、こいつ。
「いやあ、ほら、美紗ちゃんはセーラー服着てるだろ? でもよ、なーんか胸を小さく見せようとしてる気がしてよ……美紗ちゃんに聞いたら、教えてくれたぜ」
しかも聞いたってなんだよ……。
だからあんたはモテないんだっての!
「龍平……死ね!」
ほら、あゆみも怒ってる。
「時間の無駄だったな。龍平に任せずに、俺達が話をした方が良さそうだ」
あゆみにののしられ、涙目の龍平を無視して、健司が仕切り直した。
小野山美紗に話を聞かなければ、話が進まない。
そう感じた私達が話をしようとしても、クラスメイトが珍しがってずっと周りにいる。
一限目、二限目の休み時間はそうして、話もできずに過ぎ去った。