「留美子! 明日香さんと高広さんが帰るの、もうすぐだって! お兄ちゃんからメールが入ってた!」
「あっ! パ、パーティ忘れてた! 私は参加してないのに、もう帰っちゃうわけ!?」
昨日は寝て起きたらすぐに赤い人に殺されたから、すっかり忘れていたよ!
「いや、集まって話をしてただけで、パーティなんてしてないよ?」
「え? あー、それなら良いんだけど。とにかく、会っておかなきゃ、次はいつ帰ってくるか分からないからね」
そう言いながら皆の顔を見渡すと、全員行きたそうな感じでソワソワしている。
「何か食べたいから、私も行くわ。本当は外に出るのは控えた方が良いみたいだけど」
美紗だけ目的が違うようだけど。
机の上に置かれていた財布の中を確認して、これまでにないくらい大きな溜め息を吐く。
世界に気付かれ始めたという美紗が、それでも外に出ようとするなんて。
……大食いだからね。
美紗がベッドから起き上がると同時に椅子から立ち上がった私は、美紗に手を貸して部屋を出た。
家を出て、高広さんの家に向かって歩いている私達。
そういえば、まだ龍平の事は解決していないのに、どうしてこいつは一緒にいるんだか。