パズルのピースが少しずつはまり始めたと言うか、信じられない話が信憑性を帯びて来たと言うか。


美紗の話を信じてなかったわけじゃないよ?


だけど、あまりに突拍子もない話の連続で、すべてを信じる事なんてできなかったから。


でも、美雪にまで私と似たような記憶があったのだから、嘘は言ってないんだろうな。


「どうやら私は赤い人に狙われてるみたいなんだ。それに、赤い人はどこかに良く現れるとか……偶然かもしれないけど」


でもそれは記憶の話で、今回の事じゃないでしょ?


別に美雪が特別狙われてるわけじゃないし。


「美子が……赤い人があなたに伝えたい事があったのよ。だから、相島さんを特別視していたの」


「そうなんだ……でも、赤い人に特別扱いされてもね」


美雪の記憶の話はそれでおしまい。


他に話を聞く事もできずに、話し合いは終わった。


しばらくして、あゆみが龍平との口論を終わらせて、携帯電話を確認すると「あっ!」と声を上げた。


どれだけの間、どうでも良い夢の話で喧嘩してたんだろ?