慌てて言葉を付け加えた美雪に、私は不思議な何かを感じた。
「そりゃあ、夢だったら何でもありだろ。俺だって何度武司さんを闇討ちしたか……」
「あ! 龍平ひどい! お兄ちゃんにそんな事しないでよ!」
「だ、だから夢だって! 怒るなよ」
確かに、普通なら夢で済ませるかもしれない。
でも、私が見た記憶の断片も、皆同級生で。
何よりそこに、理恵さんや健司がいなかったという事が妙に気になる。
「美紗、これって記憶なのかな?」
「それだけじゃまだ分からないわね。だけど、その可能性は高いわ。相島さん、夢の中で何か変わった事を言ってなかったかしら?」
美紗のその言葉に、またうつむいて考え込む美雪。
そして、ハッと何かを思い出したかのように、顔を上げて美紗を指差したのだ。
「私達……カラダ探しをしてた。さっき言ったのと場面は違うけど……校舎の見取り図を描いて、調べた部屋にバツ印を付けてたよ!」
「間違いなく記憶ね。それは、森崎さんのカラダを探していたのよ」
美紗がそう答えて、私はハァッと溜め息を吐いた。