「ふたりとも、何で喧嘩してるのよ。玄関先でわーわー言ってたら迷惑だから、小野山さんが留美子と龍平を連れて来いって」


手首が痛むのも忘れて怒鳴っていたけど、美紗の部屋まで聞こえてたのか。


「龍平! あんたの事は皆に言うからね! じゃあね、バイバイ!」


「はぁ!? 俺も連れて来いって言われたの、聞こえなかったのかよ!」


家の中に入り、ドアを閉めようとしたけど、龍平の足が隙間に滑り込んで邪魔をする。


「もう、留美子! そんな事しないで入れてあげなよ!」


私の行動に呆れたように、ドアの取っ手をつかむ私の肩に手を置いて、溜め息を吐くあゆみ。


「あゆみ、あんたはこいつが何してたか……もう良いわ。皆の前で話すから!」


今、ここであゆみに説明しても良いんだけど、美雪を含めた全員に話をした方が良いと思ったから。


龍平をあゆみに任せて、私は美紗と美雪がいる二階へと向かった。


でも本当に、何で私はこんなに怒ってるんだろ。


皆がカラダをそろえる事が目的なら、私達が見つけたカラダの場所を、健司に知られても問題ないのに。