この表情まで演技なのかな。


健司に、美紗から聞いた事を教えられて。


死にたくなかったらとか言われて、協力させられていたんだろうな。


だけど、その程度の話で私は信用なんてしない。


「だったら証拠見せてよ。あんたと健司と手を切ったなら、健司が見つけたカラダの場所を知ってるでしょ? それを教えてよ」


私がそう言うと、龍平は困ったような表情を浮かべた。


どうしてそんな顔をするのよ。


信じられないけど、少しくらい信じさせるような事を言いなさいよ。


「あー……それがだな。あいつ、俺のカラダの場所しか教えてくれねぇんだよ」


「ほら! やっぱりあんた達だけじゃん! 私達が見つけたカラダは教えて、健司が見つけたカラダは秘密にしてるんでしょ!?」


「いや、マジで俺は知らないんだって!! 知らないのに言えねぇだろ!!」


お互いに、どんどん声が大きくなっていって、怒鳴り合いみたいになっていく。


そして、収拾がつかなくなりそうになった時、私の背後のドアがゆっくりと開き、あゆみがひょっこりと顔を出したのだ。